トピック
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松戸市が2025年7月よりeST-aidを運用開始
- 千葉県の自治体でのeST-aidの導入は2例目
- 一般社団法人松戸市薬剤師会はeST-aidを2025年5月より運用している
- 松戸市においては、自治体・薬剤師会でeST-aidを運用し、災害時の情報共有を行う。
災害時に地域の医薬品提供体制を維持するためのeST-aid
2025年7月より、千葉県松戸市で災害時情報共有システム「eST-aid(エストエイド)」の運用が開始されます。千葉県の自治体におけるeST-aidの導入は、これが2例目となります。
松戸市では、一般社団法人松戸市薬剤師会が2025年5月から先行してeST-aidの運用を開始しており、今回の市の導入によって、災害発生時に自治体と薬剤師会が連携して、より迅速かつ正確な情報共有が可能となります。
eST-aidが実現する迅速な災害対応
eST-aidは、災害発生時に混乱が生じやすい医療機関や薬局の情報を集約し、関係機関および市民へリアルタイムで提供するシステムです。
【市民へのメリット】
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スマホで医療機関の診療状況・薬局の営業状況がわかる
災害時、どの病院・医療機関や薬局が診療・営業しているかといった情報を、地図上で簡単に確認できます。
【医療機関・自治体のメリット】
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リアルタイムな情報共有で、迅速な意思決定をサポート
各医療機関の被災状況(停電、断水など)や、救護所の開設・運営状況、医薬品の在庫といった情報をシステム上で一元的に把握できます。 -
安否確認や人員配置の効率化
医療従事者の安否確認や、各救護所への参集状況をリアルタイムで共有し、限られた医療資源を効率的に配分することが可能になります。
松戸市では、このeST-aidを活用することで、災害時における市民の安全・安心を確保し、医療救護活動の円滑化を図ります。平時からの活用を通じて、有事の際にもスムーズに機能する、強靭な地域医療体制の構築を目指します。
平時にも地域の医薬品提供体制を維持するためのe-STock
災害時への備えだけでなく、eST-aidは平時における地域医療の課題解決にも貢献します。その中核を担うのが、不動薬・採用薬情報共有システム「e-STock(イーストック)」です。
医薬品の安定供給を地域全体で支える
医薬品の供給不足が社会問題となる中、各薬局では特定の医薬品が不足し、患者が必要な薬を求めて薬局を何軒も回らなければならないケースも少なくありません。
e-STockは、こうした課題を解決するために開発されたシステムです。会員薬局間で、各薬局の医薬品情報をクラウド上でリアルタイムに共有します。これにより、ある薬局で薬が不足していても、近隣のどの薬局であれば該当の医薬品があるかを確認できる体制を地域で構築し、薬局間でスムーズに医薬品を融通し合うことが可能になります。
患者と薬局、双方にメリット
患者にとっては、必要な医薬品をより確実に入手できるようになり、治療の継続性が保たれます。薬局にとっても、地域への医薬品提供体制の強化、そして地域支援体制加算の要件である「医薬品の在庫状況の共有と融通」にも対応できます。
平時の連携が、有事の力を高める
平時からe-STockを通じて薬局間の連携を深め、協力体制を構築しておくことは、そのまま災害時の対応力強化に繋がります。eST-aidとe-STock、この2つのシステムが両輪となることで、松戸市は平時・有事を問わず、市民の健康と安全を守る強固な医薬品供給ネットワークをサポートします。